シマノのSPD-SLペダルを使っている方なら一度は疑問に思うのが、クリートの色の違いです。
「イエロー・ブルー・レッドの3種類があるのはわかるけど、自分はどれを選べばいいの?」という声はよくお店でも耳にします。
また、ペダルのグレードによって付属するクリートが異なること、クリートの取り付け位置や交換のタイミングについて詳しく知らないまま使っている方も少なくありません。
この記事では以下の内容を解説します。
SPD-SLはシマノのロードバイク向けビンディングペダルシステムです。シューズのソール裏にクリートを取り付けることで、ペダルとシューズが固定され、脚の力を効率よく推進力に変えることができます。クリートは3穴でシューズのソールに固定する構造で、ロードバイク用シューズのほとんどに対応しています。
SPD-SLクリートにはイエロー(SM-SH11)・ブルー(SM-SH12)・レッド(SM-SH10)の3種類があり、それぞれ「フローティング角度」が異なります。
フローティング角度とは、クリートをペダルに固定した状態で足首(つま先)が左右に動ける範囲のことです。ペダリング中、足首が完全に固定されると関節に負担がかかります。適切なフローティング角度があることで、自然な足首の動きを許容しつつ、力を効率よく伝えることができます。
3色のフローティング角度の違いは以下のとおりです。
| カラー | 型番 | フローティング角度 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| イエロー | SM-SH11 | 6度(左右各3度) | 遊びが大きく、初心者や膝に不安がある方に最適 |
| ブルー | SM-SH12 | 2度(左右各1度) | 適度な遊びとパワー伝達のバランス型 |
| レッド | SM-SH10 | 0度(固定) | 遊びなし・完全固定。上級者・競技者向け |

最も遊びが大きく、ペダリング中に足首が自然に動きます。SPD-SLペダルを初めて使う方に最もおすすめのクリートです。ほとんどのグレードのペダルにイエロークリートが付属しています。
足首が自由に動くため膝への負担が少なく、ポジションが完全に定まっていない初心者でもクリートのセッティングが多少ずれていても問題が出にくいのが特長です。遊びが大きい分、「力が逃げる感覚」を感じる方もいますが、慣れないうちはまずイエローから使い始めることを強くおすすめします。
こんな方におすすめ:SPD-SL初心者、膝に不安がある方、クリート位置が定まっていない方、サイクリング・ロングライドメインの方

遊びが2度とイエローより少なく、固定感とフローティングのバランスが取れたクリートです。デュラエース(PD-R9100)付属のクリートで、上位グレードのスタンダードとも言えます。
イエローを使っていて「遊びが大きすぎる」「ペダリング中に力が逃げる感じがする」という方がステップアップする先として選ばれることが多いです。ただし遊びが少なくなる分、クリート位置の調整精度が求められます。
なお、イエローと比べてブルーは横方向(足幅)の調整幅が約2mm広く設計されており、セッティングの自由度が高い点も特長のひとつです。
また、ボルト中心が中空構造で頭部も肉抜き加工が施されており、わずかに軽量化されています。
こんな方におすすめ:イエローで遊びが気になってきた方、ある程度乗り慣れた方、固定感を高めたいが膝への負担も気になる方
遊びが一切なく、ペダリング中に足首が固定されます。パワーロスが最小限になる反面、クリート位置と足首の角度が少しでもずれていると、膝・足首・股関節に大きな負担がかかります。
競技者やトライアスリートなど、精度の高いポジション調整ができておりペダリング技術が高い方向けです。「試しに使ってみたい」という気持ちで選ぶと膝を傷めるリスクが高いため、まずはイエロー・ブルーで十分なポジションを作り上げてからの使用をおすすめします。
こんな方におすすめ:競技・レース志向の上級者、ポジションが完全に定まっている方、ペダリング技術が高い方
SPD-SLペダルは購入時にクリートが付属していますが、ペダルのグレードによって付属するクリートの色が異なります。
| ペダルのグレード | 付属クリート |
|---|---|
| 105・アルテグラなど(デュラエース以外) | イエロー(SM-SH11) |
| デュラエース(PD-R9100) | ブルー(SM-SH12) |


デュラエースペダルを使っている方は最初からブルーが付属しています。
交換する際は自分に合った色を選んで別途購入してください。
どのグレードのペダルにも、3色すべてのクリートが使用可能です。
また、クリートを単品で購入した場合はボルト&ワッシャーがシルバーのものが付属しています。デュラエースペダルに付属のブルークリートには、軽量化のためボルト中心が中空構造・頭部肉抜き加工されたボルトが付属しています。
クリートの位置が適切でないと、パワーが伝わりにくくなるだけでなく、膝・足首・股関節への負担が増して痛みや故障の原因になります。初めてクリートを取り付ける際は、以下の基本を守りましょう。
クリートの中心(ペダル軸と接触する位置)が、足の母指球(親指の付け根の骨の出っ張り)と小指球(小指の付け根の骨)を結んだ中心に来るように取り付けます。これが最もパワーを伝えやすく、疲れにくい基本ポジションです。
ペダルを踏んだときにシューズが自然に向く角度(内股・ガニ股の程度)に合わせてクリートの角度を調整します。角度が合っていないと、ペダリング中に膝が左右にぶれて痛みが出ることがあります。
最初はボルトを仮止めにして、近所を実際に乗りながら微調整してください。また、ボルトにはグリスを薄く塗って取り付けるのが重要です。グリスなしで締めると固着してしまい、次に外そうとしたときに非常に苦労します(最悪、シューズごと交換になる場合も)。
位置調整に自信がない方や膝の痛みが出ている方は、ぜひ店頭でスタッフにご相談ください。クリートのセッティングはポジションにも関わる重要な作業です。
クリートは消耗品です。摩耗が進んだまま使い続けると、ペダルへの着脱がしにくくなったり、走行中に意図せず外れる危険性が生じます。定期的に確認しましょう。
SPD-SLクリートには、色の付いた部分(イエローならば黄色部分)に交換基準ラインが設けられています。色の付いた部分が半分程度まで削れてきたら交換のサインです。それ以上消耗すると、ペダルへの固定に関わる構造部分まで削れてしまい、安全性に問題が生じます。
また、色の部分が残っていても、クリート前端のU字部分に変形や剥がれが見られる場合は交換を検討してください。
使用環境によって大きく異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。
ただし地面への接触が多い方(信号が多い市街地走行など)は消耗が早くなります。定期的に目視確認する習慣をつけましょう。
これらの症状が出ている場合は、走行距離に関わらず交換を検討してください。
A. イエロー(SM-SH11)がおすすめです。フローティング角が6度と大きく、クリート位置が多少ずれていても膝への影響が出にくいため、初心者でも安心して使えます。ほとんどのペダルにもイエローが付属しています。
A. 「ペダリング中に遊びが気になる」「足首がぐらつく感じがある」と感じるようになったときがひとつの目安です。ただしブルーはセッティングの精度が求められるため、クリート位置の微調整を行ってから変更することをおすすめします。
A. 互換性はありません。SPDは2穴ボルト・小型クリート(MTB・グラベル向け)、SPD-SLは3穴ボルト・大型クリート(ロードバイク向け)と、形状がまったく異なります。購入の際は必ずシューズとペダルの種類をご確認ください。
A. 必須ではありませんが、コンビニや飲食店など屋内を歩く機会が多い方にはクリートカバーの使用をおすすめします。SPD-SLクリートはソールから出っ張りが大きく、歩く際に滑りやすいため、カバーがあると安心です。また摩耗を抑える効果もあります。
A. ボルトの締め外しができれば自分で行えます。ただし、ボルトには必ずグリスを塗ることと、位置決めは仮止めで確認しながら慎重に行うことが重要です。膝の痛みが出ている方や、初めての取り付けで不安な方はぜひ店頭スタッフへご相談ください。
クリートの選び方や取り付け位置が不安な方、膝の痛みが気になる方は、ぜひカミハギサイクルへお気軽にご相談ください。スタッフが一緒に確認します。
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